生薬の多成分網羅的な評価
チョウトウコウの品質安定化を目的として、NMRを用いた多成分網羅的な品質評価方法を確立しました。NMRを用いたチョウトウコウの成分網羅的な品質評価において、糖類由来のシグナルが主として検出されることを確認し、合わせてチョウトウコウの薬効成分として知られるアルカロイド由来のシグナルも得ることができました。1H-NMRデータについて主成分分析により、第三主成分について解析を進めた結果、基原種、産地及び部位ごとの特徴を把握することが出来た。NMRのメリットとして、HPLC及びLC/MS/MSでは検出が困難な糖類をはじめとする一次代謝産物の含有情報を得られることが挙げられます。一方、生薬が持つ特徴的な成分(二次代謝産物)を用いた評価をするには、抽出溶媒種の選択、前処理を含めた抽出方法の最適化によって解析可能なデータが得られることが明らかとなりました。
HPLCや質量分析などで用いられる主成分分析(多変量解析)は、NMRでも行うことができます。HPLCとは異なりUV吸収が無くても、NMRでは1H(NMRで観測可能な核)があればすべて検出することができることが特徴です。
共用事業での成果
15-500-051
チョウトウコウの多成分網羅的な評価
株式会社ツムラ 生薬研究所